2011/03/29

「東北復興に向けての舞台人会議」議事要旨

東北復興のための舞台人会議(仮)ウェブサイト
http://www.morigekisai.com/revival/
3月31日に暫定で開設されました。
最新情報は、上記リンクでご確認ください。


「東北復興に向けての舞台人会議」議事要旨
【3月29日掲載開始、3月31日内容追加】

日時:2011年3月29日 17時~22時
会場:仙台市
出席者:32人

(呼びかけ人)
樋渡宏嗣 - SENDAI座☆プロジェクト -
渡部ギュウ - SENDAI座☆プロジェクト -
戸石みつる

(以下五十音順)
生田恵 - 三角フラスコ -
伊藤拓
いとうみや
奥田健太郎 - 演劇集団ナトリウムサナトリウム -
上島奈津子 - Shung-yu -
熊谷由海 - Project T-time -
剛蔵 - Gin'sBar -
真田鰯 - 仙台シアターラボ -
澤野正樹 - 若伊達プロジェクト -
渋谷裕子
白鳥英一 - OtoOpresents -
鈴木拓 - 杜の都の演劇祭プロジェクト -
高橋宗義 - 劇団ファットブルーム -
高橋美峰子 - TheatreGroup"OCT/PASS" -
高橋菜穂子
館林敦士 - WILD CAT HOUSE -
丹野久美子 - 劇団 I.Q150 -
千田みかさ - すんぷちょ -
千葉瑠依子
中井均 - 演劇集団ナトリウムサナトリウム -
永澤真美
西塔亜利夫 - 劇DAM垂涎 -
原西忠佑
半田深雪 - 魚類の薔薇 -
星川律子 - 劇団 I.Q150 -
前田有作 - LiteraryGuildTheater -
森忠治 - 三角フラスコ・トライポッド-
八巻寿文 - せんだい演劇工房10-BOX -
ワッキー貝山 

※本稿は未定議事録です。会議を動画配信で視聴した、
STスポット横浜(アート教育事業部)の責任で記載しています。
事実誤認などは、artedu@stspot.jp までお知らせください。
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【仙台市内の文化施設の状況】
・仙台市青年文化センター:比較的軽い被災だが6ヶ月は使えない。
・イズミティ21:天井が落ちた。見通しが立たず。
・せんだいメディアテーク:見通しが立っていない。
・エルパーク仙台:スプリンクラー作動で再開見通し立たず。
・仙台市歴史民俗資料館:見通し立たず。
・仙台文学館:見通し立たず。
・せんだい演劇工房10-BOX:新しく出来た方は比較的早く再開できそう。
・えずこホール:こちらも再開できそう。
→シングルマザーなどへの対応を考えている。
・仙台市市民活動サポートセンター市民活動シアター:施設は無事だが、復興支援活動のサポート拠点として9月30日まで機能する。
・市内の全ての公立文化施設が被害を受けている。
・仙台コロナシネマワールド:シネコン。スプリンクラー作動で再開見通し立たず。
・個人の小さなスタジオや稽古場は使用可能なところがいくつかある。

【アーティストの現状】
・公立文化施設が使えない状況もあり、キャンセルが相次いでいる。
・仕事を失っている。
・家族や親戚、友人に少なからず被災している人がいる。
・若手アーティストのモチベーションはかなり高い。
・仙台フィルハーモニー管弦楽団:避難所に出向いてのコンサートを計画中。
http://www.sendaiphil.jp/news/index.html#news110328


【セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「こどもひろば」】
・避難所になっている学校内に子どもたちが遊べる場所を設置。
・現在岩手県と宮城県を中心に9ヶ所で活動中。拡大を目指している。
・セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのスタッフが設置の交渉などを行い、その後研修を受けた現地スタッフが運営していく。
・場所によって相当状況が違う。
・会議の参加者でも現地スタッフとして関わっている人が数名。
・現時点では時給1,000円、4/21までの暫定的な状態。
・学校の管理職に挨拶をしてから実施しているが、避難所としての運営があるために、なかなか現場を見てそのことを評価しているもらえる状況ではない。
・避難所で思い切り遊べる状況にはない中で、子どもたちはとても楽しんでいる。
・現地スタッフとして関わった人の感想:同じことを体験した人間が運営していくことに意味があると思った。
・現地スタッフとして関わった人の感想:演劇で入っていければそれに越したことはないが、バックアップの体制も考えると、現時点でベストな状態で入れたと思っている。
・セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
http://www.savechildren.or.jp/sc_activity/japan-em1/
・MIYAGI子どもネットワーク(児童館運営など、セーブの受け入れにも関わっている)
http://miyagi-kodomo.net/

【子どもたちについて】
・避難所で元気に走り回っている子どもたちをみると、そのエネルギーをなんとか出してあげたいと思う。子どもたちと遊ぶことはずっとやってきたことだから、何かやれるんじゃないかと思っている。
・被災が軽いところの子どもたちはなんとか日常を取り戻そうと必死。そういう子どもたちには演劇が必要だと思う。
・子どもたちの笑顔を奪ってはいけない。
・子どもたちの姿を見かけない避難所も多い。移住だけではなく、子どもが泣いたり騒いだりするのを気にして、食事の時だけ避難所に来ている人もいる。自宅で頑張っているお母さんたちには物資も届かず大変な状況。
・仙台をハブとして、おもちゃや絵本などを避難所に分配していく仕組みを作っていきたいと考えている。

【必要なもの/こと】
・情報の集約:ボランティア入り方、避難所ごとのニーズの把握など。
・活動資金。
・事務局体制:経費も含めて。(ギャランティがないと事務局の人間が維持できない。)
・演劇自体の復興。
・関連団体(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)などとのつなぎ役。
・長期的な取り組みとして考えていくこと。
・風化させないこと。
・劇場以外の活動の場所。
・物語。

【今日会議に集まった人たちのできること】
・リーディング
・読み聞かせ
・お笑い
・紙芝居
・ジャグリング
・大道芸
・マイクパフォーマンス
・ストレッチ
・ヨガ
・病院のクラウン
・ライブ
・落語
・まかない
・話し相手
・レパートリーのダイジェスト版
・図書館(本の貸し出し)
・貸しスタジオ

【その他】
・今すぐ演劇で、何をやったらいいのか分からないけど、何かあるはずだと思っている。
・外の劇団を受け入れたいが、全部手弁当は苦しい。
・支援する側と支援される側の話が錯綜している。
・分野、立場の違いなどを乗り越えて今はネットワークを作ることができる。

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※本エントリは、STスポット横浜(アート教育事業部)の責任で
掲載しています。横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局
の責任による記載ではありませんので、ご注意ください。

※このエントリは、一ヶ月を目処に消去しますので、必要だと
思われる関係者の方は、テキストの保存をお願いします。

2010/10/13

ドイツの青少年指導者セミナーの視察

こんにちは。横浜市芸術文化教育プラットフォーム
事務局の小川智紀です。

十月の頭に、ドイツの方々が日本の芸術教育の視察に来日されました。
文部科学省スポーツ・青少年局委託事業の
「日独青少年指導者セミナー(芸術分野)」の受入事業として、
独立行政法人日本芸術文化振興会が実施しているものです。

当日は、ドガ展で大盛況の横浜美術館の「子どものアトリエ」が会場。
ご一行さまは総勢7名で、いずれもドイツの美術教育関係者。
日本語だと「青少年芸術学校校長」といった方もいて、その威厳たるや。

まず、簡単にPF事業全般のご説明をしたあと、質疑応答の時間。
「事業の具体的取組み」「取組日数」「事務局スタッフについて」など
ドイツでも同種の事業は広く行われているので、質問は尽きません。

平成22年3月に、財団法人地域創造が刊行した『文化・芸術による
地域政策に関する調査研究』通称・新[アウトリーチのすすめ]によると、
http://www.jafra.or.jp/j/library/investigation/20-21/index.php
ドイツの文化・芸術の地域プログラムは、歴史的な経緯もあり、
国よりも、州政府レベルの力の方が強いようです。
また、教育計画も現場の教師の権限が大きいことが特筆されてます。
このへん日本とはちょっと違うかも。ドイツの話もゆっくり聞きたかったな。

日本各地、相当な過密スケジュールで動かれたご様子でしたが、
いくらかでも日本の事例が、ドイツの芸術教育の一助になりますように。
ついでながら、いつか私のドイツ旅行が実現しますように。

2010/09/23

学校空間、とりわけ体育館について

こんにちは。
横浜市芸術文化教育プラットフォームの小川智紀です。

私も、学校とアーティストサイドとの調整を行うのですが、
毎度毎度焦点になるのは、場所の問題です。
学校での活動、ことに身体を動かすプログラムの場合は、
活動をする空間が重要になります。いろんな場所の可能性があります。
音楽室、図書ルーム、多目的室、普通教室、図工室、体育館、格技場…。

学校での基本的な活動する空間をイメージした場合、
先生方は、収容人員の問題から考える場合が多いのです。
クラスの人数が40人に近い場合、しかも身体を動かす場合は、
「視聴覚室じゃ狭いですよね、じゃあ体育館を押さえましょうか」
という流れになったりします。ましてや複数クラスの取組みはなおさら。

その一方でアーティストは、子供たちの意識が拡散せず、
集中できる空間を求める傾向があるような気がしています。
「伝える」「伝わる」という基本的な事柄の背景に、
場の環境とか、背景が深く影響しているから、という
それぞれの経験に即した実感があるからじゃないでしょうか。

もちろん、これはコーディネーターによって考え方が違います。
少しでも多くの子どもたちに活動に加わって欲しい、という
コーディネーターのは、体育館の中での「巻き込み」に知恵を絞ります。
その一方で、狭くても構わないから、音楽室での濃密な体験を!
と旗幟鮮明なコーディネーターもいます。

学校の芸術鑑賞教室などを行ってきた世の中の芸術団体は、
相当な努力の末、体育館サイズのコンテンツを進化させました。
でも、それだけが芸術のかたちではない、ということはいえるはず。
学校空間の中でアートの現場を作ることの原点には、空間の問題がある。
比較的折衷点が見つかりやすいので、この辺のことが、
どんなレベルでも議論になることはないのですが…。ちょっと不思議。

2010/09/15

韓国文化教育振興院の視察

こんにちは。
横浜市芸術文化教育プラットフォームの小川智紀です。

先週、韓国の視察団の皆さんが、視察に見えました。
この企画は、「文化芸術教育で地域が変わる」というテーマだそうで、
韓国の文化教育振興院と言論振興財団が主催。
比較的若い世代の新聞記者の方など、総勢15人が見えました。

PFについて簡単にご説明をしたあとは、覚悟をしていたものの、
やっぱり質問攻めになりました。
「PF事業が始まったきっかけは何なのか」
「コーディネーターやアーティストの選定方法はどうなってるか」
「横浜市の創造都市事業とは、どのように関係しているのか」など。
ホント、息つく暇もない二時間でした。

ちなみに、韓国文化教育振興院のウェブサイトは、こちら。
英語名は、KOREA ARTS & EDUCATION SERVICE 略してARTE。
http://www.arte.or.kr/index.jsp
実は、韓国文化教育振興院からは、昨年度も視察に来てもらってます。

そのときに感じたことは「文化芸術教育」といったときの、
「文化芸術」「教育」それぞれの範囲の違い。
彼らのいう「文化芸術」の中には、日本語のアートに収まるか微妙な
生活文化やコミュニティアートが、きっと当たり前のように入っている。
また「教育」といえば、学校教育の話がメインになりがちな日本と違い
「社会教育」の中で問題を考えるのが当然、というニュアンスでした。

「2010ユネスコ世界文化芸術教育大会」をやっちゃう勢いがある、韓国。
http://www.artsedu2010.kr/index.jsp
実際の現場はどうなっているのでしょうか。いつか遊びに行きたいものだ。

2010/09/09

横浜市中期計画のパブリック・コメント

横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局の小川智紀です。
毎回カタイ内容ばかりで恐縮です。今回もがちがちです。
どうぞ、歯を食いしばってお読みください。

横浜市役所は「横浜市 中期4か年計画」2010~2013
~市民と歩む「共感と信頼」の市政~(素案)」を発表しました。
簡単にいえば、何年かに一度役所が作る「中期計画」の上に、
予算が乗り、事業が乗っていくという流れが待っています。
紙幅の制約の中で、何が書いてあるかは大事といえば大事です。

本プラットフォーム事業は、どのような書きぶりでしょうか。
基本政策の「施策4」の「未来を担う子どもたちを育成する
きめ細かな教育の推進」の「目標達成に向けた主な事業」の、
「子どもを対象にした文化芸術・スポーツ振興」が、ソレです。
下記ファイルの9ページ(ノンブルで58-59ページ)をご参照ください。
http://www.city.yokohama.jp/me/keiei/seisaku/newplan/pdf/soan/e0902-5.pdf

事業の説明としては「学校で、プロの演奏や楽器にふれることが
できる芸術文化教育プログラムを実施するとともに、研修を受けた
地域のスポーツ指導者を学校等へ派遣し、子どもがスポーツに
親しむ機会を提供します」と記述。想定事業量と事業費も書かれてます。

スポーツ関連は私の把捉が甘いんですが、このPF事業については
横浜市が今後も取組みを続けていくという姿勢が、確認できそうです。
ご意見は、ぜひパブリック・コメントで(2010年10月5日〆切)。
http://www.city.yokohama.jp/me/keiei/seisaku/newplan/soan.html#iken

ちなみに、いわゆる《文化芸術》は「横浜版成長戦略」の中の
「戦略2・観光・創造都市戦略」に位置づけられており、
「施策25・文化芸術による魅力・活力の創出」に施策が書かれてます。
個人的には、こちらはこちらで味わい深い内容でした。

2010/09/02

「コミュニケーション教育」の連携と普及

横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局の小川智紀です。

8月23日に出かけた文部科学省「コミュニケーション教育推進会議」の
ワーキンググループのことを少し記録しておきます。

文部科学省では「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する
芸術表現体験」を本年度から立ち上げています。一言でいえば、
芸術家が学校に入り教育活動を展開する、という事業です。
(横浜市内でも、PF事業と連動し、3校で取組みます)

同時に、コミュニケーション教育の趣旨や意義、推進・普及方策などを
議論をする「コミュニケーション教育推進会議」を設立し、
その子会議として、主に教育内容についての議論する教育WG、
主に制度、仕組みについての議論を行う連携・普及WGがあります。

来年度の事業スキームを検討するにあたり、横浜のPFの事例を、
第4回の連携・普及WGで事例報告をしました。
WGは非公開なのですが、雰囲気だけ掴めるのが、以下の資料。

文部科学省:コミュニケーション教育推進会議(第3回)配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/075/shiryo/1296107.htm

連携・普及WGでは、横浜のPFが提出した資料などをもとに、
コーディネーターの位置づけや関連機関との連携体制が
焦点になった議論が行われました。

これまで芸術家が学校へ行く取り組みは、さまざまな形態があり、
その「意義」の示し方も多様だったのですが、ここに来て
「コミュニケーション教育」という一点に寄せて、
文部科学省が大きく動いている、という印象を持ちます。
とりあえず、注視したい、と思っています。

2010/08/26

いま、コーディネーターが考えていること

こんにちは、はじめまして。横浜市芸術文化教育プラットフォームの
事務局を担当している小川智紀といいます。

詳細な事業の内容や、枠組み、実績といった、なんというのかまあ、
比較的よく聞かれることは、ウェブサイトに少しずつまとめてますので
そちらをご参照ください。つまりウェブサイトで紹介しきれない、
あまり聞かれないけど、細かく紹介したいことを事務局発のブログで、
お知らせしていこうと考えています。

さて、まずはコーディネーターの話を。横浜市芸術文化教育PFは、
29の芸術団体・文化施設のコーディネーターを核に、学校で取組みを
すすめています。…そんな風に説明をすることは多かったのですが、
現場のコーディネーターは、実際は何を考えているのでしょうか。

その結果を先日、まとめました。12ページのリポートです。
『コーディネーターの役割とは何か』
http://y-platform.org/img/pdf/cordinator_roll.pdf

先日、文部科学省「コミュニケーション教育推進会議」の
ワーキンググループで事例報告した際の資料にもしました。
ご興味のある向きは、ぜひ一度、ご覧ください。
コーディネーターの一覧は、右のリンクにあります。こちらもぜひ。